ずいけい
まごころに生きる  


浄国寺婦人会旅行
(みなみ)(かや)()町の(ちょ)()(ない)()()(せき)から出土したこの土偶は、内部が空洞で、頭部から脚先まで全身が薄く精巧に作られていて、文様構成もすぐれています。土偶は、高さ41.5cm、幅20.1cm、重さ1,745gで、中空土偶としては国内最大で、縄文時代後期(3,500年前)のお墓から出土しました。平成19年に、道内第一号の国宝に指定されています。


 
今年5月の婦人会旅行は、1泊2日の道南を巡る旅でした。初日は、まず森町砂原にある禅昌寺様に参拝いたしました。禅昌寺様は、浄国寺現住職の母親の実家のお寺で、現在は、現住職のいとこが住職をつとめています。本堂でお参りの後、ご住職様からお寺の由緒をお聞きし、本堂の絵天井の説明をしていただきました。また、広間にて手作りのよもぎ餅とお茶のご接待をいただきました。
次に向かったのは、世界遺産、垣の島遺跡に隣接する函館市縄文文化交流センターです。ここには1975年8月に、畑でジャガイモの収穫中に偶然発見された、国宝中空土偶のほか、道南一帯の縄文遺跡から出土した縄文土器などが展示されています。
縄文文化センターでは、道南歴史文化振興財団の阿部千春先生から詳しくご説明をいただきました。内容は、当ページ内、『道南歴史文化振興財団 阿部千春先生のお話』の項をお読みください。
縄文文化センター見学後は、一路湯の川温泉のホテルへと向かいました。湯ノ川の名湯で疲れを癒やし翌日は、(なか)(じま)(れん)(ばい)(朝一)で、新鮮な野菜やお魚などを買い求めました。次に()(しん)(せん)(そう)の最後の戦場になった箱館五稜郭を見学しました。五稜郭タワーの展望台には、この戦いで戦死した(ひじ)(かた)(とし)(ぞう)のブロンズ像が飾られています。五稜郭公園はちょうど藤の花が満開の時期を迎えていました。藤棚は長さおよそ30メートルのトンネルになっていて、樹齢100年を超えるという藤の木が11本植えられています。
五稜郭を後にして、七飯町にある「道の駅なないろななえ」のレストランで昼食、最後のお土産を買い、夕方には無事に浄国寺に帰りました。


道南歴史文化振興財団 阿部千春先生のお話


土偶は土器や石器と違い実用的な道具ではないことから、縄文時代の人々の精神性を象徴する「第二の道具」といわれています。
制作の方法によって(ねん)()(かい)で作られた「(ちゅう)(じつ)()(ぐう)」と中が空洞の「(ちゅう)(くう)()(ぐう)」に分類されます。この土偶は、後者の中空土偶です。
1975年の8月に(みなみ)(かや)()(ちょう)の畑でジャガイモの収穫中に、農婦が偶然発見したものです。頭頂部の一対の筒状装飾と両腕が欠損している以外はほぼ完全な形を保っており、造形的にも優れていることから、1979年に重要文化財に指定され、その後2007年に北海道第一号の国宝に指定されました。この土偶には、「(かや)()(ちゅう)(くう)土偶」という意味で「茅空(カックウ)」という愛称が付けられています。
普通、土偶は破壊された状態で出土することから、故意に破壊されたと考えられています。カックウも両腕と頭部の飾りが欠損しています。国宝指定後に市立函館病院でカックウのCTスキャンを行ったところ、割れないように内面を補強している部分と、補強しない部分があることがわかりました。つまり、最初から都合のよい部位で壊れるように作っていたのです。
「ひとがた」や精霊として思いを込めて作られた土偶を壊すという行為は破壊するときの心理的負荷を想像すると、それが単なる個人の意志というだけではなく、縄文の人々の共通する意識であったといえます。ここに一万年以上も積み重ねてきた共通の価値観、つまり、破壊=死が再生=生の始まりという日本的な霊性の原点があるように思います。
また、貝塚は単なるゴミ捨て場ではなく「人だけではなくすべてのお墓」と捉えられていて、縄文時代に使用された骨や角や石で作られた、縫い針・釣り針、矢じりなどの道具も、貝塚に埋葬されています。このことは、現代でも行われる針供養や人形供養などにつながる、道具を大切にあつかい、道具にも魂が宿るという考え方の原点があるように思います。
縄文の人々の霊性の高さが、永い時を超え現代の日本人に受け継がれているということでしょう。






●令和7年3月号 夢と意識
●令和7年1月号 霊性に根ざした生き方
●令和6年10月号 お香
●令和6年8月号 瑩山禅師700回 大遠忌法要修行
●令和6年5月号 日本の成り立ち
●令和6年3月号 生命の不思議
●令和6年1月号 生命とは動的平衡
●令和5年10月号 色即是空空即是色
●令和5年8月号 森の木は会話する
●令和5年5月号 教育勅語
●令和5年3月号 龍村仁監督と佐藤初女さん
●令和5年1月号 中宮寺 如意輪観音
●令和4年10月号 人は死なない
●令和4年8月号 バッチ博士のフラワーレメディ
●令和4年5月号 縄文文化-縄文土器-
●令和4年3月号 イマジン
●令和4年1月号 日本のなりたち
●令和3年10月号 ありがとう
●令和3年8月号 「而今」ー今ここー
●令和3年5月号 シュリハンドクとレレレのおじさん
●令和3年3月号 コロナウイルスとこれからの日本
●令和3年1月号 三密とコロナ
●令和2年10月号 日月神示が告げるコロナとミロクの世界
●令和2年8月号 祈祷-命の危機の時代に-
●令和2年5月号 色即是空-色はすなわち是れ空なり-
●令和2年3月号 お彼岸-内海聡先生講演会-
●令和2年1月号 お水の時代
●令和元年10月号 生まれる前のおはなし
●令和元年8月号 祈りと量子力学
●令和元年5月号 一休禅師とシャーリー・マクレーン
●平成31年3月号 『浴司』よくす
●平成31年1月号 夢と意識
●平成30年10月号 『而今』にこん
●平成30年8月号 懐奘さまのまごころ 孝順心
●平成30年5月号 唯仏与仏
●平成30年3月号 彗星探索家 木内鶴彦さん
●平成30年1月号 金子みすゞの世界
●平成29年10月号 お地蔵さま
●平成29年8月号 お盆
●平成29年5月号 諸法実相-ただ仏と仏とのみ-
●平成29年3月号 即心是仏
●平成29年1月号 はじまりはひとつ
●平成28年10月号 ホセ・ムヒカの生き方と言葉
●平成28年8月号 1/4の奇跡
●平成28年6月号 いのちをむすぶ ー佐藤初女さん
●平成28年3月号 般若心経
●平成28年1月号 生きがい
●平成27年10月号 死後の世界(その二)
●平成27年8月号 死後の世界
●平成27年5月号 ダライ・ラマ十四世法王
●平成27年3月号 正倉院ーシルクロードの終着駅ー
●平成27年1月号 三帰礼文ー三宝を敬うお唱えー
●平成26年10月号 「般若心経」色即是空・空即是色
●平成26年8月号  ハス
●平成26年5月号 観音さま
●平成26年3月号 無情説法
●平成26年1月号 石田徹也
●平成25年10月号 食 じき
●平成25年8月号 GOMA
●平成25年5月号 宮沢賢治ー菩薩の道を行くー
●平成25年3月号 東日本大震災 三回忌追悼
●平成25年1月号 新年あけましておめでとうございます
●平成24年10月号 宇宙の始まり
●平成24年8月号 ふくしま
●平成24年5月号 花まつり
●平成24年3月号 画餅 -絵に描いた餅-
●平成24年1月号 いま・ここを大切に生きる
●平成23年10月号 大自然から学ぶ
●平成23年8月号 暑中お見舞い申し上げます
●平成23年5月号 花まつりーお釈迦さまの誕生日
●平成23年3月号 「奇跡のリンゴ」
●平成23年1月号 「すべてはこころ」
●平成22年8月号 自発的治癒力
●平成22年8月号 地蔵盆
●平成22年8月号 奇跡のリンゴ
●平成22年5月号 お水取り
●平成22年3月号 仏さまに救われて
●平成22年2月号 号外 真如の表紙
●平成22年1月号 新年のごあいさつ
●平成21年10月号 浄国寺御開山
●平成21年5月号 花まつり
●平成21年3月号 お彼岸
●平成21年3月号 チェンジ-変革
●平成20年10月号 あいさつ
●平成20年8月号 天来の呼び声
●平成19年8月号 釈迦八相
●平成19年5月号 花まつりーお釈迦さまの誕生日
●平成17年10月号 イサム・ノグチとモエレ沼公園

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