ずいけい
まごころに生きる  


-人は自分の人生をえらんで生まれてくる-

今年のお盆の法要後に、絵本作家のひだのかな代さんの「生まれる前の世界」のお話しをお聞きしました。
ひだのさんは、生まれてくる前の記憶がある、ふぅちゃんという女の子が、教えてくれた話をかわいい絵本にされました。その絵本にも描かれていますが、ひとは皆自分のお母さんお父さんをえらんで生まれてくるといいます。そして生まれるときと、ところをえらんだ魂は、自分自身の人生をすべて理解して生まれてくるのだそうです。
(たい)(ない)()(おく)(ぜん)()()(おく)研究の第一人者として知られる、横浜市の産婦人科院「池川クリニック」の医院長、池川明先生は、生まれてから6歳くらいまでの間は、3割くらいの子どもが胎内記憶を持っているといわれます。子どもたちはお腹の中の記憶を
「あったかくて、気持ちがよかった」
「くらかった」
「泳いでた。ゆらゆらしたよ。お水はあったかくて、ちょっとしょっぱい。ごくごく飲んだよ」
と、話してくれます。
また、子どもたちの中には、お母さんのお腹に宿る前の、不思議な世界を記憶している子もいるのだそうです。そこは雲や空の上だったり、宇宙だったり、天国っぽい場所だったりで、神さまらしき人や、天使や妖精たちが登場することもあります。臨死体験をした人の語る世界とも、共通点があるそうです。池川先生は、そういう世界を「(ちゅう)(かん)(せい)()(おく)」と分類されています。その記憶をご紹介すると、
「向こうの国には子どもたちがいっぱいいて、上から『あのママがいい』とか『あのママがかわいい』とか『あのママがやさしい』とかいって、みんなで見ているんだ」
「生まれることは自分で決めて、神さまに教えに行く。神さまはダメっていわない。同じお母さんを選ぶときは、いっしょに決める子もいる。ふたごになることもある」
「ぼくがおとうさんとおかあさんをえらんだ。知らないおじさんと空中にういていたら、家の中から笑い声が聞こえてきて、そのおじさんがこの家でいいかと聞いたので、ぼくはいいですとこたえた」
「女優さんになりたかったから、ママを選んだの。ママが一番きれいで、ママなら女優さんにしてくれると思ったの」
など、自分の生まれる先を自分で決めて生まれてくるということになります。ひとは、今生での人生は自分自身で選択しているということでしょう。
さらに池川先生は、まれに()()()の記憶が残っている子もいるといわれます。「(ちゅう)(かん)(せい)」よりもう一つ前の世界が「()()(せい)」です。
「あ、そうだ。前はぼく、三年生で車にひかれて死んでいるから、気をつけて学校に行こう」(青い習字バッグを持っていたこと、ひいた車は信号無視の、黒いぺしゃんこ型の自動車だったことを覚えています。小学校三年生の初登校日に言ったことば)
「アメリカにいたときは、レンガのお家だった。双子だった。飛行機が爆弾を落として、また死んじゃったんだ。雲が迎えに来てくれて『ああ、助かった!』と思って上に行って、それから日本に来たんだ」
「ぼくは、イギリスのお料理屋さんの子どもだった。1988年8月9日に生まれて、ゲイリースって呼ばれていた。7階建ての建物に住んでいた。お父さんはチリコンカーンという料理を作ってくれた」
「インドでは、パパと、9歳のお兄ちゃん、2歳の私、おばあちゃん、サビという犬がいた」
過去世を思い出して語った子どものことばです。
 
仏教にも「(りん)()(てん)(しょう)」という教えがあります。死んであの世に(かえ)った(れい)(こん)(たましい))が、この世に何度も生まれ変わってくるということです。これは、仏教が古代インドのバラモン教の思想を取り入れたものですが、この生まれ変わりの思想は、古代エジプトにもギリシャ神話にもありました。また、意外ですが初期のキリスト教や、その源となったユダヤ教でも輪廻転生説は伝えられていたのです。
では、なぜ魂は何度も転生を繰り返すのでしょうか。池川先生は、それは成長を遂げることが魂の目的だからだといわれます。
「私は、人が輪廻転生するのは、過去世や(げん)()でやり残した課題が、たくさんあるからだと思っています。神さまに与えられた、あるいは自分が思い定めた天命を果たすために、さまざまな経験を重ねることで、魂が少しずつ磨かれていくのです。そう思うと、(つら)い出来事にぶつかっても、勇気がわいてくるような気がしませんか?」といわれます。
成長し大人になると、胎内記憶や前世の記憶、そして過去世の記憶もすべて忘れてしまうのだそうです。けれども、(こん)(じょう)の自分の人生は、自分の魂が選び決定してきたと思うと、なんだか生きる希望が出てきます。たとえ事故や病気や辛いことの多い、思い通りにならない人生であったとしても、これも今生で与えられた魂を磨くための試練であると考えると、その苦しみを乗り越える、前向きな気持ちが湧いてくることでしょう。





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