ずいけい
まごころに生きる  


生物学者の福岡伸一先生は、「生命を維持するとは(どう)(てき)(へい)(こう)(絶え間なく少しずつ入れ替わりながら、しかし全体としては統一を保っていること)であり、一見何も変わらないように見えるけれども、実はものすごいスピードで、からだを作っている物質つまり分子がどんどん(こわ)されて()てられ((はい)(せつ)され)、食べものの分子と入れ替わっていることである」といわれています。
以前私が、福岡先生にお目にかかったときに、「生命」は人工的に作ることが可能でしょうかと伺うと、先生は即座に「できません」と答えられました。科学文明が進んだ現代、人工知能など色々なものが作り出されますが、生命だけは未だに作ることができないのです。
生命はいったいどこから来たのでしょうか。一般的に生命体は、今からおよそ38億年前に地球の海の中で発生し、永い年月を経て進化し現在の生物になったと考えられています。つまり、我々人間の生命も、(みなもと)をたどれば最初に発生した生命体から(れん)綿(めん)として続いたものということです。現在私たちが生きているということは、38億年のあいだ生命体のバトンが一度も途絶えることがなかったということになります。一度でも途絶えると今の自分は存在しないのです。
よく、私たちの身体は、肉体と心と魂で構成されていると言われます。
私たちの肉体を作っている元素は、地球を構成している元素です。では、地球の元素はどこから来ているかといえば、もちろん宇宙から来ているのです。自分の身体は自分のものだと思われるかもしれませんが、実は私たちの肉体はすべて地球や宇宙からの借りものなのです。ですから、期限が来れば返さなければなりません。これが「死ぬ」ということです。貸し主は地球、宇宙です。それでは、借り主は誰でしょうか?
仮に、私の身体だとすると、肉体は60兆個の細胞でできていて、それらは一年もするとほとんど全部入れ替わりますから、そういう主体のないものに借りる権利はありません。
では心でしょうか? でも心はその時々の状況や感情でどんどん変化します。昨日の考えは、今日には変わってしまいます。こんな不安定なものには貸せないでしょう。
すると、残っているのは魂しかありません。魂こそが本当の自分であり、その魂に対して宇宙や地球が元素を貸して、私たちは肉体を得ているということになるのでしょう。
『人は死なない』という本を出された、東京大学名誉教授で医師の()(はぎ)(なお)()先生は、「私は『あの世』の存在を認知しています。私たちはそこから()()(魂の計画)を持ってやって来て、肉体の限界(肉体死)を迎えたら、故郷、つまりその世界に帰るのです。これを何度も繰り返すことを、一般に(りん)()(てん)(しょう)と呼んでいます。
肉体は死にますが、魂は死なないのです。魂というのは、私たちの根源的なエネルギー体であり、魂こそ、あの世とこの世を行ったり来たりする本体です。肉体は三次元のこの世界で活動するための乗り物です。
寿命が来れば肉体は朽ちる、という意味で『人は死ぬ』が、霊魂は生き続ける、という意味で『人は死なない』のです。私は、そのように考えています」と、いわれます。

つまり、生命とは魂が肉体(元素)を借りてこの世で活動していることに他なりません。魂にとって大切なのは、いかに生きたかということです。その魂が人生の中で何を望み、何を体験し、何を学んだのかが最も大切なのです。それこそが、今生に生まれてきた魂(生命)の目的なのです。





●令和6年1月号 生命とは動的平衡
●令和5年10月号 色即是空空即是色
●令和5年8月号 森の木は会話する
●令和5年5月号 教育勅語
●令和5年3月号 龍村仁監督と佐藤初女さん
●令和5年1月号 中宮寺 如意輪観音
●令和4年10月号 人は死なない
●令和4年8月号 バッチ博士のフラワーレメディ
●令和4年5月号 縄文文化-縄文土器-
●令和4年3月号 イマジン
●令和4年1月号 日本のなりたち
●令和3年10月号 ありがとう
●令和3年8月号 「而今」ー今ここー
●令和3年5月号 シュリハンドクとレレレのおじさん
●令和3年3月号 コロナウイルスとこれからの日本
●令和3年1月号 三密とコロナ
●令和2年10月号 日月神示が告げるコロナとミロクの世界
●令和2年8月号 祈祷-命の危機の時代に-
●令和2年5月号 色即是空-色はすなわち是れ空なり-
●令和2年3月号 お彼岸-内海聡先生講演会-
●令和2年1月号 お水の時代
●令和元年10月号 生まれる前のおはなし
●令和元年8月号 祈りと量子力学
●令和元年5月号 一休禅師とシャーリー・マクレーン
●平成31年3月号 『浴司』よくす
●平成31年1月号 夢と意識
●平成30年10月号 『而今』にこん
●平成30年8月号 懐奘さまのまごころ 孝順心
●平成30年5月号 唯仏与仏
●平成30年3月号 彗星探索家 木内鶴彦さん
●平成30年1月号 金子みすゞの世界
●平成29年10月号 お地蔵さま
●平成29年8月号 お盆
●平成29年5月号 諸法実相-ただ仏と仏とのみ-
●平成29年3月号 即心是仏
●平成29年1月号 はじまりはひとつ
●平成28年10月号 ホセ・ムヒカの生き方と言葉
●平成28年8月号 1/4の奇跡
●平成28年6月号 いのちをむすぶ ー佐藤初女さん
●平成28年3月号 般若心経
●平成28年1月号 生きがい
●平成27年10月号 死後の世界(その二)
●平成27年8月号 死後の世界
●平成27年5月号 ダライ・ラマ十四世法王
●平成27年3月号 正倉院ーシルクロードの終着駅ー
●平成27年1月号 三帰礼文ー三宝を敬うお唱えー
●平成26年10月号 「般若心経」色即是空・空即是色
●平成26年8月号  ハス
●平成26年5月号 観音さま
●平成26年3月号 無情説法
●平成26年1月号 石田徹也
●平成25年10月号 食 じき
●平成25年8月号 GOMA
●平成25年5月号 宮沢賢治ー菩薩の道を行くー
●平成25年3月号 東日本大震災 三回忌追悼
●平成25年1月号 新年あけましておめでとうございます
●平成24年10月号 宇宙の始まり
●平成24年8月号 ふくしま
●平成24年5月号 花まつり
●平成24年3月号 画餅 -絵に描いた餅-
●平成24年1月号 いま・ここを大切に生きる
●平成23年10月号 大自然から学ぶ
●平成23年8月号 暑中お見舞い申し上げます
●平成23年5月号 花まつりーお釈迦さまの誕生日
●平成23年3月号 「奇跡のリンゴ」
●平成23年1月号 「すべてはこころ」
●平成22年8月号 自発的治癒力
●平成22年8月号 地蔵盆
●平成22年8月号 奇跡のリンゴ
●平成22年5月号 お水取り
●平成22年3月号 仏さまに救われて
●平成22年2月号 号外 真如の表紙
●平成22年1月号 新年のごあいさつ
●平成21年10月号 浄国寺御開山
●平成21年5月号 花まつり
●平成21年3月号 お彼岸
●平成21年3月号 チェンジ-変革
●平成20年10月号 あいさつ
●平成20年8月号 天来の呼び声
●平成19年8月号 釈迦八相
●平成19年5月号 花まつりーお釈迦さまの誕生日
●平成17年10月号 イサム・ノグチとモエレ沼公園

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