ずいけい
まごころに生きる  


ジョン・レノンの名曲『イマジン』は、発表から50年経つ今も、平和を象徴する曲として世界中で歌いつがれています。

想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって…

想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって…

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ

想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲張ったり飢えることも無い
人はみんな兄弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって…

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
そして世界はきっとひとつになるんだ


実はこの『イマジン』は、日本の神道にインスピレーションを得て作られたといいます。ジョン・レノンの妻、オノ・ヨーコさんのいとこに外交評論家の加瀬英明さんがいます。ジョンがあるとき、伊勢神宮を参拝した折りに、加瀬さんに尋ねたそうす。
「神社とか、伊勢神宮はどういう宗教なの?」
加瀬さんは「神社は、宗教ではないのです。だって教祖がいない、教義も経典もない。だから宗教ではなく、神道という信仰なのです。たとえていうと、『くまのプーさん』の森の世界に似ているのです。プーの森には教会もない。でも森のみんながつながって、そして1つになって助け合って生きている。そういう世界が日本であり、それが私たちの神道なのです」と説明したそうです。
ジョンは「それはすごい。もっと日本を知りたい」そういって日本を勉強し、オノ・ヨーコさんと一緒に日本をめぐり、日本を知るうちに『イマジン』が生まれたということです。
『イマジン』に、「みんなで世界を分かち合おう」という意味の歌詞があります。この考え方は、日本の建国の理念(はっ)(こう)(いち)()と共通しています。ただ、「八紘一宇」は第二次世界大戦で、戦争を正当化するために使われた経緯があり、イメージがよくありません。しかし、もともとこの語源は、日本を最初に統治された、(じん)()天皇が即位された際に作られたとされる「橿(かし)(はら)(けん)()(みことのり)」に(さかのぼ)ります。(みことのり)とは天皇の宣言のことです。
八紘(あめのした)(おお)いて(いえ)()むこと、亦可(またよ)からずや」
つまり「世界のすべての人たちが、同じ屋根の下の家族のように、仲よく暮らしていける国にしよう」という意味です。日本建国の理念です。
世界では、昔から現在にいたるまで、宗教をめぐる争いが繰り返されています。
「宗教がなければ、みんなが今を平和に暮らせるんだ」とジョンは歌いました。きっとそれは本当のことでしょう。よく今の日本人は、無宗教であるといわれます。イエスキリストの生誕祭としてクリスマスを楽しみ、お正月には神社を参拝し、お盆にはお寺のお墓参りをします。
しかしそこには、信仰は違っていても、「世界のすべての人が同じ屋根の下の家族なんだよ、だから仲良くしよう」という、他者を尊重し思いやるという、神武天皇建国の精神が2682年経った今も、日本人一人ひとりに受け継がれているともいえるでしょう。
ジョン・レノンは平和活動家でもありました。彼が「イマジン」で歌った、戦争のない、平和で、すべての人が同じ屋根の下でつながり、1つになる世界が早く実現することを願います。


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