ずいけい
まごころに生きる  


三月二〇日講演会
本年、春のお彼岸会にあわせ(あか)(つか)(こう)()先生にお出でいただき、先生の著書「おとうさん、日本のことを教えて!」に添ってご講演していただきました。

日本の成り立ち 赤塚高仁
 「日本はいつ、だれがつくった国なの?」あなたは、答えられますか?
ある女子高生の話です。
彼女は高1のときにアメリカに留学しました。アメリカの文化を学ぶためです。ホームステイ先はカリフォルニア州にあるテハチャピという小さな村にあるアメリカ人の家庭でした。
日本人が住んでいない地域でしたので、知らない国からやってきた女子高生にみんな興味津々でした。学校に行けばクラスメイトが聞いてきます。「ねえ、日本て、どんな国?何があるの?」
彼女は質問されるたびになれない英語で全力でこたえました。
あるとき、ホストファミリーのお母さんが彼女に聞いてきました。「日本はいつ、誰が作った国なの?」
彼女は答えを知りませんでした。「えっ、いつだろう?作ったのは誰か?うーん、わかんない。教えてもらってないし」
ホストファミリーのお母さんは、驚き、そして(さと)すように言いました。「そうなの。教わってないのね。でも、知らないのは日本に対して、あなたの愛がないからじゃないかしら。自分の国を愛せないで、他の国を愛せる?あなたは何のためにアメリカに来たの?」
彼女は答えます。「アメリカや世界を知りたかったから」
「そう。でも、あなたが知るべきはアメリカや世界のことじゃない」
「・・・・。日本のこと?」
「そう、まずは自分の国のことをわかったほうがいいわ。自分の国を知って愛せなければ、アメリカで信頼を得るのは難しい。いえ、どこの国に行っても難しいでしょうね」
ときは2002年。まだスマートフォンもない時代でしたから、日本の歴史について調べたくても、アメリカにいる彼女には調べるすべはありませんでした。
その女子高生は、うつうつとしながら1年を過ごし、アメリカから日本に戻るやいなや、父親に涙ながらにうったえました。
「お父さん、日本のことを教えて! 何も答えられなくて、ほんとうに悲しかった」
じつは、この女子高生とは、私の一人娘です。娘から、「知らない国で悲しい思いをした」と打ち明けられて、父としてショックでした。さらに、自分自身も日本の建国について何も知らなかったことに恥ずかしさを覚えました。
そこで、日本について猛勉強を始めました。日本最古の歴史書「()()()」に始まって、多くの歴史書を読みあさり、娘と一緒に歴史の舞台である神社を訪ね、山を登り、実際に足の裏で日本史を学んできました。
そうやって、日本の建国や文化について知識を増やしていきました。娘はその後、日本を大好きになりました。もちろん、私自身もです。
日本でもっとも古い歴史書、古事記にはこう書かれています。「イザナギという神が、その妻イザナミと共に、天の浮橋の上に立った。やがて彼は暗い海の中に、(ほこ)を降ろした。その矛を引き戻すと、矛の先から(しお)のしずくが落ちた。しずくが落ちると、次々に固まって、島となった。
イザナギは多くの神々を生んだ。その中の一人に太陽の女神があった。女神は孫のニニギノミコトを地上に降り立たせ、新しい国土を統治することを命じた。
ニニギノミコトにはジンムという(ひい)(まご)があって、このジンムは日本の初代の統治者となった。」
これは()()()()()()()()が国生みをし、(あま)(てらす)(おおみ)(かみ)が孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を地上に(日向(ひゅうが)の高千穂の峯、現在の宮崎県)に降ろして、国を統治するように命じ、瓊瓊杵尊のひ孫の(じん)()(てん)(のう)が、日本の初代の統治者となった、というお話です。
この日本のストーリーから、「日本はいつ、誰がつくったか」をひも解くと、「紀元前660年2月11日に、神武天皇が作った」ということになります。
今年は皇紀2683年になります。世界で最も古い国は「日本」なのです。



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