ずいけい
まごころに生きる  


2011年3月11日に東日本大震災が発生して、まる2年が経ちました。この震災で被害を受けられた皆様には心からお見舞い申し上げます。また、犠牲になられた多くの皆様には心から哀悼の意を表します。被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます
『北の国から』の倉本聰さんはいわれます。
…日本人というのは、どうしてこうも忘れっぽいんでしょうね。震災の悲しみも、原発事故への怒りも、たった1年半しか経っていないのに、もう忘れてしまった。いや、考えるのをやめた、というべきかな。
これまで僕は、エネルギー問題をテーマにした作品を多く書いてきました。『北の国から』もそのひとつです。あの作品の第1話には、富良野に住むと決めた五郎に、息子・純が抵抗する、こんなシーンがあります。
純 「電気がなかったら暮らせませんよッ」
五郎「そんなことないですよ」
純 「夜になったらどうするの!」
五郎「夜になったら、寝るンです」
当時はまだバブルが始まる少し前でしたが、文明の進歩によりどんどん変化していく日本の中で、誰もが高揚していました。しかし僕は、日本はこんなに便利になってしまっていいのだろうか? という不安感を抱いていたのです。
そこで電化製品にどっぷりと浸かっている子供たちが、電気も水道もない生活の中に放り出されたら、何をどう感じ、どう動くのか? それを描いてみたいと思った。それが『北の国から』の原点でした。…
 

日本は、戦後の復興で見事に立ち直り、経済が急速に成長しました。その結果、自家用車、パソコン、携帯電話、コンビニ、衣料品、食料品など、私たちは物質的にはとても豊かな生活を手に入れることができました。そういう便利で充たされた生活の中で、「何が本当に大切なのか、何が本当に幸せなのか」ということを置き忘れてしまったのかもしれません。
日本は地震国です。歴史を振り返ってみても、今までに大津波の記録がいくつも残されています。けれどもその教訓を忘れ、経済的利潤と利便性の追求に目を奪われてしまいました。その結果、森林伐採や港湾開発など自然破壊が進みました。このことがあの津波での被害をさらに甚大なものにしたのではないでしょうか。
また、あまりにも経済、科学進歩を優先させてしまった結果、人間が制御することができない禁断の木の実、原子力にまで手を出してしまいました。その結末が、あの福島の原発事故ではないでしょうか。 
この度の震災で、私たちが今まで心に何を思ってきたのか、また、これから未来に向かって何を想像し行動していけばよいのかを問われている気がいたします。
震災は、被災した地域だけの出来事ではなく、世界全体の問題です。われわれ人間も「大自然の一部分である」ということを忘れず、おごることのない謙虚な心を大切にしてしていかなければならないと思います。
『北の国から』の最終回「遺言」で、五郎はいいます。

「純、蛍、おれにはお前らに遺してやれるものはなんもない。でもお前らにはうまく言えんが、遺すべきものは遺した気がする。金なんかのぞむな。幸せだけをみろ。ここにはなんもないが、自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には十分毎年食わしてくれる。自然からちょうだいしろ。謙虚につつましく生きろ。それが父さんのお前らへの遺言だ」 



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