ずいけい
まごころに生きる  


本年、四月一日より三週間にわたり、大本山(そう)()()()(かい)(さん)(けい)(ざん)(ぜん)()さまの七〇〇回忌法要が修行されました。
大本山総持寺(横浜市鶴見区)を開かれた瑩山禅師さまは、中国より禅を伝えられた(えい)(へい)()()(かい)(さん)(どう)(げん)(ぜん)()さまから数えて四代目のお弟子様にあたります。
瑩山禅師さまは1264年、(えち)(ぜん)(福井県)にお生まれになり、8歳で永平寺に入山され永平寺三世(てっ)(つう)()(かい)(ぜん)()さまのもとで修行を始めました。
13歳で永平寺二世()(うん)()(じょう)(ぜん)()さまについて(しゅっ)()(とく)()し正式に僧となると、(けい)(ざん)(じょう)(きん)と名を改め、19歳になると(しょ)(こく)(あん)(ぎゃ)(こころざし)をたて、()(どう)生活に精進されました。
瑩山禅師さまは、福井県大野市の(ほう)(きょう)()(じゃく)(えん)(ぜん)()、京都・(まん)寿(じゅ)()(ほう)(がく)(ぜん)()、東福寺の(はく)(うん)()(きょう)(ぜん)()などさまざまな諸師に(さん)じ、また()(えい)(ざん)(のぼ)っては「(いっ)(さい)(きょう)」を学ぶなど修行に(はげ)まれました。また、後に能登()(くい)()(よう)(こう)()など多くのお寺を建て、すぐれた弟子を育てられました。その後、58歳のときに能登輪島市の(もろ)(おか)(でら)を寄進されると、寺名を(しょ)(がく)(ざん)(そう)()()とあらためられました。この(そう)()()は明治になって現在の神奈川県横浜市に移転し現在にいたります。
瑩山禅師さまは、61歳のとき總持寺の住職を弟子の()(さん)()()(ゆず)られ、翌年62歳でそのご生涯を閉じられました。
瑩山禅師さまは多くのお寺を建て、また(めい)(ほう)()(てつ)()(さん)(じょう)(せき)などすぐれた弟子たちが各地で布教を続けたことにより、曹洞宗の教えが全国に広まりました。
こうした、瑩山禅師さまのご功績により、曹洞宗が発展する基礎が築かれました。


瑩山禅師さまの母 ()(かん)さまと観音信仰
(けい)(ざん)(ぜん)()さまの母、()(かん)さまは十八歳の時に、お母様、つまりご開山様にとりましてはお婆さまの(みょう)()さまとは生き別れになっていました。()(かん)さまは母との再会を願って、京都の清水寺に七日間(さん)(ろう)されます。その時、ちょうど六日目の道すがらに、十一面観音様の頭の部分を拾われました。そこで「もし、母との再会が成就した時には、そのお礼として、お身体をお継ぎしましょう」という願をかけられます。その願いが見事にかない、母明智さまとの再会を果たされました。懐観さまは、約束通り十一面観音様のお身体をお造りして、一生の守り本尊((ねん)()(ぶつ))となされました。その観音像は、今でも能登の(よう)(こう)()(まつ)られています。
また()(かん)さまは、三十七歳の時に(けい)(ざん)(ぜん)()さまを懐妊なさいますが、その時にも誓願を立てられ、観音様の前で毎日『観音経』を(どく)(じゅ)され、一千三百三十三回もの(らい)(はい)を欠かさずに行じられました。
瑩山禅師さまがお生まれになると、いつも親子は一緒に観音さまをお詣りされました。そんなある日、「なぜ観音さまにお(まい)りするの」とお母さまに質問をされました。()(かん)さまは「観音さまは慈悲深く、多くの人を難事から救い、願いをかなえてくださる菩薩さまです。私は観音さまのおこころを(たよ)りに、あなたの成長を願い、あなたの幸せを望んでいるのです」と答えられました。



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