ずいけい
まごころに生きる  


お盆にはご先祖さまや亡き人の御霊(みたま)が、私たちのもとへと帰ってこられます。
8月13日に焚く迎え火はご先祖さまや亡き人の道しるべです。お仏壇をお花できれいに飾り、数々の食べ物をお供えしご供養します。そして、お盆の終わる16日には、送り火を焚いてその煙に乗って、御霊(みたま)はまた仏さまの世界へ帰って行かれます。

ジャーナリストの立花隆さんは、長年臨死体験(りんしたいけん)をしたという人に聞き取り調査をしてきました。その調査を元に、NHKでも特集番組が放送されました。また、臨死体験をした人の体験記録を数冊の本にもされています。
その本に紹介され、自らもその臨死体験を本にされている方に、木内鶴彦さんという方がいます。木内さんは、長野県在住の世界的に有名なコメット・ハンター(彗星(すいせい)探索家)です。今までに4つの彗星を発見し、その2つには木内さんの名前が付けられています。
木内さんはの臨死体験は、自衛官だった22才の時におこりました。航空管制の任務中に、今まで経験したことのない腹部の激痛により意識をなくし、救急搬送されます。
そして病院のベッド上でナースコールを押そうとした瞬間に肉体から意識だけが抜け出したのです。
その時のことを、「自分の心臓が止まるのがわかりました。そのあと呼吸ができなくなりました。最後にす~っと深く吸ったら、それっきり呼吸ができなくなりました。よく、亡くなることを息をひきとるといいますが、あれは本当だったんだな、と思いました」といわれています。
幸い、木内さんは心臓が止まってから30分後に蘇生し、今は元気に活躍されています。ところで、木内さんは、この臨死体験中に過去にも行き、未来の自分も見たといわれます。「未来の自分は、大きな畳の部屋で、壁には朱色の抽象画が掛かっていました。たくさんの人を前にして、僕が星の話なんかをしているところでした。そのとき、『もしこれが本当に未来なら、僕は死んでないということだ』とうれしかったことを覚えています」
そして、その時見たできごとが19年後の、未来に本当におこります。それは、真言宗の大本山、高野山から講演の依頼が来て、高野山の講演会場に通されたときです。「あれ、これはあのとき見た未来じゃないのかな」と懐かしく思ったといいます。
講演会場の大きな座敷には、あのときに見たように大勢の人が集まっていました。そして、驚いたことにあのとき見た朱色の絵が壁に掛かっていたのです。19年前に見た通りの情景がそこにありました。
木内さんは、自分でもびっくりし、思わず、その時の講演を、臨死体験でこの部屋で講演している自分を見たという話からはじめたそうです。
木内さんは、「死後の世界とは、この世の時間、空間とは別の、より高次元の時間、空間があるということだろうと思うんです。高次元の世界では、人が自分であり、動物が自分であり、植物が自分であり、いろいろな物質が自分であり、宇宙も自分なのです。万物は意識において一体ということです。すべてはこの膨大な意識の世界に帰るのです」といわれます。
木内さんの体験によれば、死後の世界とは、この世とは異次元の、膨大な意識だけの世界ということです。人の生と死は、この世と、高次元の世界との行き来ということになります。
 
先日、当山でもご講演いただいた「おむすびの祈り」の佐藤初女さんの「限りなく透明に凛として生きる」という本の出版記念公演会に参加いたしました。そのとき、産婦人科医の池川明先生が講演されました。池川先生は、子どもがおなかの中のことを覚えている「胎内記憶」で有名な先生です。子どもは3才くらいまでは、お母さんのおなかの中にいた記憶や、前世の記憶があるのだそうです。
佐藤初女さんも、「お産はいのちのうつしかえ」といわれています。

心臓と肺に疾患を持って生まれ、30回の入退院をくり返した、いんやく りお君という子がいます。ことばが遅かった彼が、9歳のときに話し始めたのは、生まれてくる前の記憶でした。
 ぼくは、病気を選んで、
 生まれてきた。
 希望を持って、
 生まれてきた。
 心を感じることで、
 勇気がでる。

 赤ちゃんは、
 どのお母さんにするか、
 どんな体にするか、
 どんな性格になるか、
 自分で決めて生まれてくるの 
 が、ふつうだよ。
 ぼくが病気で生まれたのは、
 病気で生まれた子や、
 お母さんたちを、励ますため。
 だから、ママは、
 ぼくの言葉を、みんなに教えていい。

この、りお君の言葉からもわかるように、私たちはそれぞれの目的を持って、大いなる魂の世界から生まれてきたのです。人はみな、この世に命をいただき、さまざまな体験を通して大いに学び成長します。そして、いずれ時がきて、この世での役目が終わり、また大いなる根源の世界に帰って行くのでしょう。
仏典には、お釈迦さまは何生もの長い年月、菩薩としての修行を積み、そしておさとりをえ、ブッダになられたと説かれています。私たちも、この世での努力が永遠なる魂の成長となるのです。そして、それが人生の意味であり、目指す道ということです。


立花 隆 著 佐藤初女さん




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