ずいけい
まごころに生きる  


春のお彼岸法要にあわせ、(あか)(つか)(こう)()先生にご講演をいただきました。先生の新刊著書『あなたに知らせたい日本という希望』の中から教育勅語についてご紹介いたします。


明治時代1889(明治22)年に交付されたのが明治憲法です。その翌年に明治天皇によって発布されたのが教育勅語です。当時は、「(ぶん)(めい)(かい)()」が叫ばれる中、日本に西洋の文明が入ってきて、制度や習慣が大きく変化した時代でした。
明治天皇は国民のことを知るために、全国を(じゅん)(こう)されました。そして、各地の学校を見ていく中で、道徳や修身の授業がないことに気づかれます。西洋に後れを取ってしまうという風潮から、神話や建国の理念などはなおざりになっていました。
恐ろしいことに、当時の文部大臣(もり)(あり)(のり)は「国語を英語にすべし」と主張しました。国会議員や有識者にも、日本をなくしてしまおうという人が現れてきたのでした。文明開化ばかりに突っ走る様子に、明治天皇は深刻な危機感を持たれました。
そこで、日本の心、魂の部分をしっかりと日本人に伝えたいという明治天皇の思いを、明治憲法を起草した天才、(いの)(うえ)(こわし)が再び奮起して315文字の言葉に表したものが教育勅語なのです。「(ちょく)()」とは、天皇のお言葉のことです。
私はよく言われました。
「赤塚さん、教育勅語というものは良くないものなんだよ」。そこで、「どんなことが書かれているのですか?」と尋ねると、誰もはっきりとは答えられない。ただ「教育勅語は、軍国主義に使われた悪いものだ」とばかり繰り返すのです。
そこで私は、毎日繰り返し声に出して読むことにしました。何度も読むうちに、ある時ふっと、まるで身心に沁み込むように理解することができました。そして、あまりのすばらしさに驚き、感動したのです。
日本では知られていませんが、アメリカで、聖書の次にたくさん読まれているのが教育勅語です。もちろん教育勅語とは書かれていませんが、アメリカはこれで道徳の風紀を取り戻しました。
教育勅語は日本のみならずすべての民族において、どの時代においても人が幸せにならざるを得ないマニュアルなのです。
外国で評価されていることを誇らしく思うと同時に、日本人がそのことを知らないばかりか、こぞって悪く言うことが情けなく思えました。
日本人が育んできた大切なことをこれ以上(ないがし)ろにしてはいけない。そう思った私は、自分の学んだこと、知ったことを本に書き、講演して、広く皆さんに知らせるという役割を果たしていこうと決めました。
「教育勅語」という言葉に抵抗があるのだとしたら、もう少し柔らかなアプローチにすれば良いのではないかと思い、子供たちにも分かるように翻訳した「かみさまとのおやくそく」という文を作りました。皆さまにもご紹介したいと思います。

かみさまとのおやくそく

おおむかしに、わたしたちのそせんが、
にっぽんというくにをつくったとき、
こころのきれいなひとたちがすむ、
りっぱなくににしようとおもいました。

そしてみんなが、そのきもちをたいせつにして、
こころをひとつにしてがんばったから、
いまのにっぽんがあるのです。

それはとてもほこらしいことです。

みなさんは、おとうさん、おかあさんをたいせつにして、
きょうだい、しまいはたすけあいましょう。

おとうさん、おかあさんはなかよくしましょう。

ともだちはたいせつにして、
いじわるをしたり、うそをいってはなりません。

いばったりじまんしたりせずに、
こまっているひとがいたら、たすけてあげましょう。

べんきょうはなまけずに、
いろいろなことをおぼえたり、かんがえたりして、
かしこくなりましょう。

ひとのことをうらやましがったり、ひがんだりせずに、
すすんでみんなのためになることをしましょう。

ずるをしたりせずに、きまりはきちんとまもりましょう。

もし、たいへんなことがおこったら、
ゆうきをだしてみんなのためにはたらきましょう。

このおやくそくはずっとむかしから、
みんながだいじにしてきました。

みんながおおきくなっても、
がいこくでもかわらないほんとうにだいじなことですから、
みなさんも、このおやくそくをまもって、
りっぱなひとになりましょう。


忘れかけていた、日本人の心を魂を今一度思い起こし、一人ひとりが変わることで、日本が変わり、世界が変わります。大きなことをする必要はありません。
国を守り、ここまで命をつないで下さった先輩たちに感謝しましょう。日々の暮らし、毎日の仕事、小さな行動のひとつひとつの中に日本人の魂を表していきましょう。
あなたの人生に幸多からんことを祈ります。そして、日本が世界の希望の光となることを、心から祈ります。



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