ずいけい
まごころに生きる  


ー生きがいの意味ー
みなさまは、「生きがい」とはどういうものだとお考えでしょうか。
「あなたの生きがいは?」と聞かれて仕事といわれる方、あるいは愛する家族といわれる方もいるでしょう。または、趣味という方もいるかもしれません。しかし、よく考えてみると、これらは自分に生きがいをもたらしてくれる「ものごと(・・・・)」であって、本来「生きがい」は、自分の外からもたらされるものではなく、あくまでも「前向きに生きたい」と願う、自らの心があるかないかが問題であるといえます。
カウンセラーの飯田史彦(いいだふみひこ)先生は、生きがいの定義を次のようにいわれています。「生きがいとは、自分という人間の存在価値から生じる、『より価値のある人生を創造しようとする意志』のことをいう。」
つまり、「生きがい」とは、「より、意義のある人生にしていこうとする思い(・・)」のことであるといわれます。
あらためて、「自分に生きがいをもたらしてくれる、ものごとは何だろうか」と考えてみても、はっきりと特定できません。さまざまなものが混在していて、明言できないのです。

ー生きがいを持つ人生観ー
では、生きがいを持って前向きに生きる人生観とはどういうものでしょうか。それは、「自分は、宇宙の法則のもとで生きており、人生で生じるあらゆる出来事には、必ず深い意味や理由がある」という思考方法で生きるということです。
具体的には、自分はよほどの理由があって、この宇宙に存在し、地球に人間として生まれた。よほどの理由があって、この場所この時代に生まれた。よほどの理由があって、両親のもとに生まれ育った。よほどの理由があって、結婚し子どもが生まれた。よほどの理由があって、事故や病気になった。よほどの理由があって、あの時、あのような出来事にあった・・・。
このような考え方で生きていくと、「人生には、自分を成長させるためにいろいろな試練が用意されているが、本質的な失敗や挫折や不幸は存在しない」というふうに理解できます。そして、あらゆる出来事や人間関係には深い意味があることを理解し、前向きな生活を送ることができるようになります。
 
このようなことから、「生きがい」ということばが、何か特定のものごとを指すのではなく、「あらゆるものごとに対して前向きに取り組もうとする思い」を指しているのだといえるでしょう。
お釈迦さまが開かれた、仏教が説いてきたのは、まさに、宇宙の法則や、人生の深遠な仕組みについての解釈です。「私たちはさまざまな宇宙の法則のもとで生かされており、人生で生じるあらゆる出来事には、深い意味や理由があるのです」という教えです。

ーこれでいいのだー 
人は、物質的な豊かさを追求する見方をいったん止めて、「人間の本質は精神である」ということを理解することで、今までとはまったく違う価値観が生まれます。
飯田史彦先生はいわれます。「人間が、なかなか思い通りにならないこの物質世界に生まれてくる理由は、『思い通りにならない』こそが、この物質世界が生み出す価値の(みなもと)なのです。私たちは『思い通りにならない』という現実の中で、苦悩しながら生き、時おり出会う『願いがかなうという喜び』をいかに正しく味わい、感謝するかということを、日々の生活で学んでいるのではないでしょうか。この物質世界で人間として生きる妙味(みようみ)を味わうために、自分の意志で、生まれてくることを選んだのです。」
生きがいとは、人生において起こるさまざまなできごとを、いかに肯定的に受けとめ、それを糧に学んでいくかということです。
法華経(ほけきよう)というお経も「絶対肯定」という世界を説いています。たとえ人生にどんな試練があったとしても、「これでいいのです」と受けとめる心が大切であると説くのです。
今年も、「これでいいのだ」と納得できる一年を過ごしたいものです。 


ー天才バカボンパパの生き方ー  
•自分は自分でいいのだ。
•あなたはあなたでいいのだ。
•ありのままの自分でいいのだ。
•ありのままのあなたでいいのだ。
•すべては今のままでいいのだ。
どんなにトンデモナイこと(失敗、挫折、事件、事故)が起きても、人生の途上で起きることには全て意味があるのだから、全てを受け入れる、という意味での「これでいいのだ!」である。

赤塚不二夫


▲青梅市 赤塚不二夫会館

▲トキワ荘時代
▲赤塚不二夫




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