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●道元さま

春は花 夏ほととぎす
秋は月 冬雪さえて 涼しかりけり
道元禅師さまの和歌集「傘松道詠」のなかでも、もっとも親しまれている歌です。昭和43年11月16日、川端康成がストックホルムで「美しい日本の私」と題したノーベル文学賞記念講演のなかに、わが心の歌として引用されてからひろく知られるようになりました。
この歌は「本来の面目」という題で歌われています。本来の面目とは、自然が本性として持っている純粋なこころ、いのちそのものをいいます。道元さまは、四季おりおりの姿は、つつみかくすことなくありのままに表現されて、まさに仏さまの世界を現しているといわれるのです。
自然こそ輝くいのちの現れであると詠われています。
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●アンドールワイル博士

伝統医療と近代医学を統合する「統合医療」の世界的第一人者、アンドールワイル博士は「私は、宇宙には知性があると強く感じています。すべての存在は生きていると思います。私を生かしてくれているものと同じ生命エネルギーを、岩や山も持っています。ですから『地球そのものが大きな生命体である』という考え方はとても有効です。いま、世界では様々な問題が起こっています。だからこそ、地球規模の意識変革が求められているのです」といわれます。 私たち一人ひとりが、自分の場、自分のやり方で一歩踏み出すことによってその変革は起こるのだと思います。 |
●木村秋則さん

無肥料・無農薬でリンゴの栽培に成功された木村さんは「リンゴを育てるようになって、私が学んだいちばん大きなこと。それは、この地球上に生きる生き物は、みなお互いに深く関わり合いながら生きているということでした。
農薬を使わずにリンゴを育ててみようなんて常識はずれもいいことを思いついて、リンゴ畑を滅茶苦茶にして、気の遠くなるほど長い間苦労しなければならなかったのも、いま考えて見ればそれに気付かなかったからです。私は、自分がリンゴの実を実らせるんだと勘違いしていたのです。
どんなに科学が進歩しても、人間はリンゴの実の一粒も作り出すことはできません。私たちを生かしてくれている無数の生き物とのつながりが断たれてしまったら、人間は生きていくことができないのだということを、リンゴの木が私に教えてくれました。そのことを心の底から理解できるかどうかで、人間がこれから先もこの地球で幸せに生きていけるかどうかが決まると私は思っています」といわれます。 |
●高野孝子さん

環境教育活動家、高野孝子さんは1995年、男3人、女2人の国際混成チームで、人と犬ぞりによる北極海横断の旅を日本人として初めて成し遂げました。その後、アラスカ・カナダの北極圏や南太平洋の小さな島に住む先住民の古老達と共に生活し、彼らの自然と共に生きる叡智を、現代の教育に生かす道を探りつづけています。最近は、「大地とつながる」教育をめざして故郷の南魚沼で、『南魚沼やまとくらしの学校』を始めておられます。
あるとき、高野さんが、イヌイットの古老に「人はどのように生きていけばよいのですか?」と尋ねると。古老は、カラカラと笑って「そんなことは自然がすべて教えてくれる。この大自然から学びなさい」と答えられた、といわれています。 |
●吉岡幸雄さん

日本の自然染織の第一人者、京都「染司よしおか」五代目当主の吉岡さんは、日本古来の「草木染め」を復活され、東大寺、法隆寺、伊勢神宮など古い社寺の伝統行事の染織に携わっておられます。
先日、NHKの「ようこそ先輩」に出演され、古来から日本人が持っていた「豊かな色の世界を」子供たちに伝えました。子供たちは、それぞれ考えた「世界にただ一つの色」を布に染めます。校庭には吉岡さんが小学生のころから見上げてきた、桂の大木が一本茂っており、その木の下に染めた布を陰干します。吉岡さんは、子供たちに「君たちの先生は、何百年も生き続けているこの桂の木です。この地球の大自然です。自然の中から色々なことを学んでください」といわれます。 |
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